【初心者向け】生地の水通し&地直しのやり方!縮みや歪みを防ぐコツを解説

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生地の水通しと地直しのコツを解説
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「お気に入りの布を使ってハンドメイド作品を作ろう!」と思ったとき、

最初にやるべき大事な作業が「水通し」と「地直し」です。これをしっかり行わないと、せっかくの作品が洗濯後に縮んでしまったり、歪んでしまったりすることも…。

この記事では、初心者でも簡単にできる水通し&地直しのやり方を詳しく解説します。

どの生地に必要なのか、やり方のコツ、失敗しないポイントまで、すぐに実践できる方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください!

目次

水通しとは?なぜ必要なのか

生地の水通しとは?基本の意味を知ろう

水通しとは、布を縫う前に水に浸して、生地の縮みや風合いの変化を事前に起こしておく作業のことです。

特に綿やリネンなどの天然素材は、水を吸収すると縮みやすいため、事前に水通しをしないと完成後にサイズが変わってしまうことがあります。

水通しをすることで、生地の余分な糊や汚れを取り除くこともできます。

工場で生産された布には、織る際の糸の滑りをよくするために糊がついていることがあり、そのまま使うと仕上がりの質感が変わることもあります。

水通しをすることで、余計な糊が取れ、布本来の質感で作品を作ることができるのです。

また、水通しをすることで布の伸縮具合を確認できるので、裁断や縫製がしやすくなります。

生地によっては水を通すとやわらかくなり、より扱いやすくなるものもあるため、初心者でも失敗しにくくなるのもメリットの一つです。

水通しをしないとどうなる?リスクを解説

水通しをせずに布を使うと、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。

  • 完成後にサイズが変わる
    → 水を含むと縮みやすい生地は、洗濯後に予想外に小さくなることがあります。
  • 縫い目がよれる・歪む
    → 生地の縮みが不均一だと、縫い合わせた部分に負荷がかかり、歪みやシワができやすくなります。
  • 布の硬さや風合いが変わる
    → 糊がついたまま縫うと、作品の仕上がりが硬くなり、予定していた質感と違うことがあります。
  • 色落ち・色移りする可能性がある
    → 染料がしっかり定着していない生地は、水通しをしないと色落ちしてしまうこともあります。

このようなトラブルを防ぐために、水通しはとても大切な工程なのです。

水通しが必要な生地・不要な生地の見分け方

すべての布に水通しが必要なわけではありません。

以下のリストを参考に、水通しが必要かどうかを見極めましょう。

生地の種類水通しの必要性
綿(コットン)必要(縮みやすい)
麻(リネン)必要(縮みやすい)
ダブルガーゼ必要(特に大きく縮む)
ウール不要(基本的にドライクリーニング推奨)
ポリエステル不要(縮みにくい)
ナイロン不要(ほぼ縮まない)
合皮・レザー不要(洗えない)

天然繊維は縮みやすいため水通しが必要ですが、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は縮みにくいため、水通しをしなくても問題ありません。

水通しに適したタイミングとは?

水通しは、裁断や縫製をする前に行います。

特に購入したばかりの布は糊がついていたり、折りジワがあったりするので、できるだけ早めに水通しをしておくのが理想的です。

また、水通しをした後は完全に乾かしてアイロンをかけ、地直しをしてから裁断に入ると、布の扱いがスムーズになります。

市販の布製品は水通し済みなのか?

市販の布製品(既製服やカーテンなど)は、基本的に水通しをせずに作られていることが多いです。

しかし、製造工程であらかじめ洗いをかけているものもあり、その場合は水通しの必要がありません。

購入時に「防縮加工」や「ウォッシュ加工」などの表記があるかを確認するとよいでしょう。

次は「水通しの正しいやり方」について詳しく解説します!

水通しの正しいやり方【基本編】

水通しに必要な道具を準備しよう

水通しを始める前に、必要な道具をそろえましょう。

必要なもの

  • (水通ししたい生地)
  • 大きめのバケツ or 洗面台 or 洗濯機(水に浸すため)
  • ぬるま湯 or 水(適温は生地による)
  • 軽く絞るためのタオル(水気を取るのに便利)
  • ハンガー or 物干し(干すため)
  • アイロン(仕上げにシワを伸ばす)

生地の種類によって適した水通しの方法が異なるため、道具も使い分けると良いでしょう。

洗面台・バケツ・洗濯機のどれを使う?方法別の違い

水通しには主に3つの方法があります。

方法特徴おすすめの生地
手洗い(バケツ・洗面台)水を溜めて手で押し洗い少量の布、小さい生地
つけ置き(大きめの容器)たっぷりの水に浸けて放置綿やリネンなどの天然繊維
洗濯機(単独で洗う)時間短縮、手間が少ない大きな布、大量の生地

少量の布ならバケツや洗面台で手洗い、大きめの布ならつけ置きか洗濯機を活用すると効率的です。

適切な水温と浸け置き時間の目安

水温や浸け置き時間は生地の種類によって変わります。

生地の種類水温浸け置き時間
綿(コットン)常温~ぬるま湯(30℃以下)30分~1時間
麻(リネン)常温~ぬるま湯(30℃以下)1時間以上
ダブルガーゼぬるま湯(30℃以下)1時間
ウール×(基本的にドライクリーニング)
ポリエステル不要(縮みにくいため)

ぬるま湯を使うことで繊維が柔らかくなり、より効果的に水通しができます。ただし、熱湯は絶対NG! 繊維が急激に縮んでしまうため、必ず30℃以下の水を使いましょう。

水通し後の乾かし方と注意点

  1. 水気を軽く切る
    • 手でギュッと絞るのはNG!布がシワになりやすくなるため、タオルで軽く押しながら水気を取る。
    • 洗濯機を使う場合は「脱水1分以内」にする。
  2. 干し方を工夫する
    • ハンガーにかけると布が伸びることがあるため、平干しがベスト!
    • 風通しの良い場所で陰干しにすると、生地のダメージを抑えられる。
  3. 乾いたらアイロンをかける
    • 軽くアイロンをかけてシワを伸ばすと、次の地直し作業が楽になる。
    • アイロンの温度設定は布の種類に合わせること。

よくある失敗例と対策

失敗例原因対策
布が極端に縮んだ熱湯を使った30℃以下の水を使う
色落ちしてしまった染料が落ちやすい生地だった事前に端切れでテストする
乾いた後にシワだらけギュッと絞ったタオルで軽く押して水を取る
干したら布が伸びたハンガーにかけた平干しにする

これらのポイントを押さえれば、失敗なく水通しができます!

次は「地直しとは?布の歪みを整える方法」について解説します!

地直しとは?布の歪みを整える方法

地直しとは?目的と重要性を知ろう

地直しとは、布の歪みを整えて、正しい形に戻す作業のことです。

布は織られるときに引っ張られたり、丸められたりして歪みが生じることがあります。

そのまま裁断すると、縫ったあとに斜めに歪んだり、シルエットが崩れたりする原因になります。

特に天然素材の布は、洗濯するとさらに歪みが出ることがあるため、水通しをしたあとに必ず地直しをするのが理想的です。

地直しをすることで、次のようなメリットがあります。

  • 布目がまっすぐになり、正確な裁断ができる
  • 縫製後の歪みやねじれを防げる
  • 作品の仕上がりが美しくなる

初心者のうちは面倒に感じるかもしれませんが、地直しをすることで仕上がりがグッと綺麗になります!

なぜ布が歪むの?歪みが発生する原因

布が歪んでしまう原因はいくつかあります。

  1. 製造工程での引っ張り
    • 織機で布を織る際、機械で引っ張られるため、繊維が少し斜めになることがある。
  2. 巻かれて販売されることによる歪み
    • 布は反物(ロール状)に巻かれて販売されるため、巻きグセがつきやすい。
  3. 水通し後の縮み
    • 水通しをすると繊維が元の状態に戻ろうとするが、均等に縮まないことがある。
  4. 洗濯や乾燥での歪み
    • 布の種類によっては乾燥時に一部だけ縮んでしまい、ねじれが生じることがある。

こうした歪みを防ぐために、地直しの作業が必要なのです。

地直しが必要な生地の特徴とは?

すべての布に地直しが必要なわけではありません。

特に必要なのは、天然繊維(綿・麻・ガーゼなど)の布です。

ポリエステルなどの化学繊維は歪みにくいため、地直しをしなくても問題ないことが多いです。

生地の種類地直しの必要性
綿(コットン)必要(特に織りの粗いもの)
麻(リネン)必要(縮みやすく歪みやすい)
ダブルガーゼ必要(布目がずれやすい)
ウール不要(縮絨加工が施されているため)
ポリエステル不要(基本的に歪まない)
ナイロン不要(伸縮しにくい)

特に、布目(縦横の織り糸の方向)がはっきりしている生地は、歪みを直すことで仕上がりが格段に良くなります。

地直しをしないと起こるトラブル例

地直しをせずに裁断・縫製をすると、次のようなトラブルが起こることがあります。

  • 縫い合わせた部分が斜めにずれてしまう
  • 洗濯後に歪んでしまい、形が崩れる
  • まっすぐ裁断したのに、布の柄が曲がって見える
  • 服や小物がゆがんで着心地が悪くなる

特にチェック柄やストライプの布は、地直しをしないと模様が曲がってしまうため、注意が必要です!

水通しとの関係性|どちらを先にやるべき?

「水通しと地直し、どっちを先にやるの?」と迷う方も多いですが、基本的には次の順番で行います。

  1. 水通しをする(布の縮みを落ち着かせる)
  2. しっかり乾かす
  3. 地直しをする(布目を整える)
  4. アイロンで仕上げる

水通しをせずに地直しをすると、水通し後に再び布が縮んで歪んでしまうため、必ず水通しを先にするのがポイントです。

次は「地直しの具体的な手順」を解説します!

地直しの具体的な手順を解説!

必要な道具と準備するもの

地直しをスムーズに行うために、以下の道具を準備しましょう。

必須アイテム

  • アイロン(スチーム機能付きがおすすめ)
  • アイロン台(大きめのものが便利)
  • 霧吹き(生地を湿らせるため)
  • ものさし or 定規(布目の確認用)
  • 糸切りばさみ(布目を揃えるときに使用)

あると便利なアイテム

  • おもり or 文鎮(布が動かないように固定する)
  • マスキングテープ(布目の確認ラインを引くのに使う)

生地を広げるためのスペースも確保しておきましょう。アイロンをかける際は、テーブルの上ではなく、アイロン台を使うのが理想です。

アイロンを使った基本的な地直しの方法

最も簡単な地直し方法は、「アイロン+霧吹き」を使って布目を整えるやり方です。

1. 生地を広げて布目を確認する

  • まず、平らな場所に布を広げます。
  • 織り目(縦糸と横糸の交差)をよく観察し、歪んでいる部分がないか確認します。
  • もし布が斜めに歪んでいる場合、軽く引っ張りながら形を整えておきます。

2. 霧吹きで生地を湿らせる

  • 霧吹きを使い、生地全体を軽く湿らせます。
  • 水通し後の布は乾燥するとシワになりやすいため、適度な水分を含ませると扱いやすくなります。
  • 乾いたままアイロンをかけると、熱で歪みが固定されることがあるため、必ず湿らせましょう。

3. アイロンをかける(低温~中温)

  • アイロンを低温~中温に設定し、布の繊維に沿って優しくかけます。
  • 縦方向→横方向の順にゆっくり動かし、布目を整えながら作業を進めます。
  • 必要に応じてスチーム機能を使うと、より効果的に歪みが直ります。

4. 布を軽く引っ張りながら整える

  • アイロンをかけながら、布の四隅を軽く引っ張ると、歪みが取れやすくなります。
  • ただし、強く引っ張りすぎると生地が伸びるため、やさしく調整するのがポイントです。

5. 完全に乾かす

  • アイロン後、すぐに畳まず、完全に冷めるまで平らな状態で置いておきます。
  • 熱が残ったまま畳むと、新たなシワができる原因になるため注意しましょう。

縦横の糸を揃える「引っ張り地直し」のコツ

歪みが強い場合は、アイロンだけでなく「引っ張り地直し」をするのも有効です。

1. 布端の糸を1本引き抜く

  • まず、布の横端(耳のない部分)から1本糸を引っ張ります。
  • 糸がスーッと抜けたら、そのラインが「正しい横糸の方向」になります。

2. 糸を基準に布をカットする

  • 抜いた糸のラインに沿って布をまっすぐカットすると、正確な布目に整えることができます。

3. 布を四隅から優しく引っ張る

  • 布を対角線方向に軽く引っ張ることで、織り目を元の位置に戻します。
  • 力を入れすぎると布が伸びてしまうため、慎重に行いましょう。

地直し後の保管方法と折りジワを防ぐコツ

地直しを終えた布は、保管方法にも注意が必要です。

  • 布を巻いて保管するとシワになりにくい
    • クリアファイルの芯や筒状のものに巻きつけておくと、折りジワがつきにくくなります。
  • 広げたまま保管する場合は、上に布をかぶせる
    • ホコリを防ぐため、別の布をかけておくと清潔な状態を保てます。
  • 畳む場合は、なるべく大きく畳む
    • 小さく畳むと折り目がつきやすくなるため、なるべく大きく畳むのがポイントです。

地直しをするときのNG行為と注意点

NG行為理由対策
高温のアイロンをかける生地が縮んだり傷んだりする低温~中温で様子を見ながらアイロンをかける
強く引っ張りすぎる繊維が伸びて元に戻らなくなる軽く優しく引っ張る程度にする
乾いたままアイロンをかける歪みが固定されてしまう霧吹きで湿らせてから作業する
すぐに畳むアイロンの熱が残っているとシワがつく完全に冷めるまで広げておく

これらのポイントに気をつければ、失敗なく地直しができます!

次は「水通し&地直しを簡単にする裏技!」を紹介します!

水通し&地直しを簡単にする裏技!

大きな生地を扱いやすくするための工夫

大きな布を水通し&地直しするのは、初心者にとっては大変な作業です。

しかし、少し工夫するだけで扱いやすくなります。

  1. 生地を半分や1/4サイズにカットして水通しする
    • 大きな生地はあらかじめ小さめにカットしておくと、水通しやアイロンがしやすくなります。
    • ただし、布目が歪まないように、まっすぐ裁断することが重要です。
  2. 洗濯ネットに入れて洗濯機で水通しする
    • 水通しをする際、洗濯機を使う場合は、布を洗濯ネットに入れることで絡まりを防げます。
    • なるべく「弱水流」または「手洗いモード」を選ぶと、生地に負担をかけずに水通しできます。
  3. タオルで巻いて脱水する
    • 大きな布を水通しした後、脱水機を使わずにバスタオルに挟んで水気を吸収させると、シワがつきにくくなります。

100均アイテムでできる時短テクニック

100円ショップには、水通し&地直しを時短できる便利アイテムがたくさんあります!

  • スプレーボトル(霧吹き) → アイロン時に布を湿らせるのに便利
  • 大判のアイロンマット → アイロン台を出す手間を省ける
  • マスキングテープ → 布目を確認する際にラインを引くのに役立つ
  • 洗濯クリップ → 平干しする際に布が飛ばないように固定する
  • ワイヤーネット → 大きな布を広げて干すときに活用できる

100均アイテムを活用すれば、初心者でも簡単に水通し&地直しができます!

天日干し・室内干しのメリットとデメリット比較

水通し後の乾燥方法には、「天日干し」と「室内干し」の2種類があります。

それぞれの特徴を比較してみましょう。

乾燥方法メリットデメリット
天日干し速く乾く / 除菌効果あり色あせる可能性 / 乾燥しすぎるとパリパリに
室内干し色あせしにくい / 適度な湿度を保てる乾くのが遅い / 匂いがこもることも
  • 白や淡い色の布 → 天日干しがおすすめ(紫外線で殺菌効果もある)
  • 濃い色や柄物の布 → 室内干しがおすすめ(色あせを防げる)

手間を減らす!まとめて水通しする方法

「布を1枚ずつ水通しするのは面倒…」という方におすすめなのが、「まとめて水通し」する方法です。

1. 同じ種類の布をまとめて水通しする

  • 綿は綿、麻は麻と、同じ素材の布をまとめて水通しすると効率的!
  • ただし、濃い色の布と白い布は分けること!(色移りのリスクがある)

2. 大きめの容器を活用する

  • 洗濯機のドラム部分や、大きなバケツを使えば、一度にたくさんの布を水通しできる。

3. 干すときはシワがつかないように広げて干す

  • まとめて水通しするときは、干すときに布をよく広げて、均等に乾かすのがコツ!

水通し&地直しをしなくてもいい場合はある?

すべての布に水通し&地直しが必要なわけではありません。

以下のケースでは、省略しても問題ありません。

  • 防縮加工やプリウォッシュ加工がされている布
    • すでに水通し済みのため、追加の水通しは不要!
  • ポリエステルやナイロンなどの化学繊維の布
    • 水通しをしても縮まないので、基本的に不要。
  • 飾り用の布(バッグの裏地など)
    • 多少縮んでも問題がない場合は、水通ししなくてもOK。

ただし、洋服や布小物を作る場合は、できるだけ水通し&地直しをするのがおすすめです。

まとめ

布を使ったハンドメイド作品を作る際、水通しと地直しはとても大切な工程です。

特に綿や麻などの天然繊維の布は、水通しをしないと縮んでしまったり、歪んでしまったりするため、裁断前にしっかりと準備しておくことが重要です。

水通しのポイント

布を水に浸けて、あらかじめ縮みを取る
綿や麻などの天然繊維は水通しが必須
水温は30℃以下にして、布に優しく水通しする
脱水は軽めにして、平干しで乾燥させる
アイロンをかけてシワを伸ばすと次の工程がスムーズ

地直しのポイント

水通し後に布目をまっすぐ整える作業
アイロン+霧吹きで布の歪みを直す
布端の糸を1本抜いて、正しい布目を確認する方法も有効
強く引っ張りすぎないように注意
完全に乾かしてから裁断すると、作品が綺麗に仕上がる

水通しと地直しを正しく行うことで、縫製後の歪みや縮みを防ぎ、完成度の高い作品を作ることができます。

少し手間はかかりますが、この工程を丁寧に行うことで、長く愛用できる布小物や洋服が作れるので、ぜひ試してみてください!

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